ブックタイトル湯島本郷マーチング通信50号

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概要

湯島本郷マーチング通信50号です。湯島本郷マーチング通信では文京区湯島や本郷、またはその周辺の施設やイベントを紹介しています。

2パブリック-2重要文化財の洋館、和館、広大な芝庭が魅力の「旧岩崎邸庭園」――築120年の木造洋館は美しいですね。吉野さん明治29(1896)年に岩崎彌太郎の長男、久彌(三菱第3代社長)が本邸として建てました。1万5千坪あった敷地は3分の1になり、20棟あった建物は現在3棟を残すのみです。関東大震災、戦争、戦後の接収と多難な時代をくぐり抜け、昭和36(1961)年にはコンドル設計の洋館と撞球場が国の重要文化財に指定されました。現在は都立文化財9庭園のひとつになっています。中でもこの規模の洋館を残しているのはここだけなので、その保存維持管理は並大抵ではありません。現在屋根の修理工事を行っていますが、秋ごろからは塗装の工事も予定されています。――古さのイメージを維持しながらの修理ですか。吉野さん傷んだり腐ったりした箇所があれば、そこの板を1枚全部新しいものに取り公益財団法人東京都公園協会旧岩崎邸庭園サービスセンター副センター長替えるのでなく、問題箇所だけを取り除き可能なかぎりオリジナル部材を残してジグソーパズルのようにはめ込む。非常に手間のかかる作業です。現在行っている屋根木部の修理は宮大工が担当しています。私たちは毎日建具を開け閉めしているのですが、大変古く壊れやすいので管理のためにデータベースを作成しました。補修工事は壊れやすい所や傷んだ所に優先順位をつけて行っています。それでも大雨や台風のときは気が気じゃありません。――来館者が多いですね。吉野さん日によりますが、バスツアーで一日に10数台来られることもあります。三菱つながりということで、お隣の三菱史料館や丸の内の三菱1号館を回る方も結構いらっしゃいますね。ボランティアガイドの個性あふれる案内を楽しむこともできます。国の重要文化財に指定されています美術品のような美しい階段ホールお茶席ではお抹茶が楽しめます吉野正彦さん和館にはお茶席がありお抹茶を楽しむことや、おみやげを購入することができます。美しい館内や建物・庭での記念写真とつい思いがちですが、園内での撮影にはルールがあるのでご注意ください。またミニコンサートを随時開催しています。スケジュールはホームページでご確認ください。重要文化財旧岩崎邸庭園開園時間9:00~17:00(入園は16:30まで)休園日年末年始(12/29~1/1)入園料一般個人400円団体320円年間パスポート1,600円※65歳以上は半額〒110-0008台東区池之端1-3-45TEL.03-3823-8340 FAX.03-3823-8033http://www.tokyo-park.or.jp/旧岩崎邸庭園ではガイドボランティアの会「茅町コンドル会」による、ガイドツアーを実施しています。ガイドに参加いただくことで、より詳しく旧岩崎邸の見どころや歴史を知ることができます。ぜひ、ご参加ください。開催日時:毎日11時・14時※混雑時や気象状況等により中止の場合があります。参加方法:集合場所にお集まりください。※予約不要、参加費無料ですが、別途入園料が必要です。パブリック-3三菱と近代日本の歴史がリンクする「三菱史料館」――聞こえるのは鳥の声ばかり…都心とは思えない環境ですね。渡辺さんお隣が三菱ゆかりの旧岩崎邸庭園でも、こちらまで足を伸ばす人はあまり多くはありません。三菱史料館は、三菱創業125周年を記念して、1996年、三菱経済研究所に併設される形で創設されました。創業以来の膨大な経営資料、業務文書類を収集・整理する一方、学術的な調査・研究に供しています。もちろん調べ物など一般の方でもご利用可能です。2・3階はすべて書庫ですが閉架式のため、まずお電話かメールでお問い合わせ頂き、ご来館の際はマイクロフィルムでの閲覧になります。三菱を中心とする経済史、経営史、産業史公益財団法人三菱経済研究所史料館史料部長などの研究成果の一端は、「三菱史料館論集」として毎年刊行されています。――新しい方向性についてはいかがですか。渡辺さん若手の専任研究員のほか、東京大学の教授お二人が兼務研究員として実証研究を進めています。ひとつの史料にもいろいろな見方ができ、それを他の史料とつき合わせれば切り口は限りなく広がります。経済・経営に留まらず、建築や都市、文化等の異分野の研究にも結びついていけたらと思っています。所蔵史料のデジタル化も視野に入れていきます。――一般の人には展示室が面白そうですが。渡辺さんパネルで三菱の歴史を時代背この奥にもう一部屋、見応えある展示室既刊18号の『三菱史料館論集』鳥の声に囲まれて風情のある正面渡辺靖さん景とともに分かりやすく解説していて、歴史好きな方なら充分楽しめると思いますよ。三菱の歴史は日本の近代化と切り離せないので、これを見ると三菱の変遷が社会の変化とどうつながってきたか、それが街の歴史ともどうリンクしているかなど、いろいろな感想を持たれるんじゃないかと思います。また興味深い所蔵史料の一部も展示しています。雰囲気のある施設ですので、一度お立ち寄りになってみてください。三菱史料館開館時間10:00~16:30(入館は16:00まで)、見学無料(20名以上は要連絡)休館日土日祝、年末年始史料閲覧要予約(調査目的、希望史料等)〒113-0034湯島4-10-14TEL.03-5802-8673 FAX.03-5802-8674http://www.meri.or.jp/