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概要

マーチング通信41号

2パブリック-1地域の高齢者を守る「高齢者あんしん相談センター」家族から近隣、町会、協力機関など一緒に区と連携して高齢者の安心を支える文京区では高齢者相談窓口として「高齢者あんしん相談センター」(介護保険上の地域包括支援センター)を区内8カ所に設けています。湯島・本郷では、高齢者あんしん相談センター本富士と本富士分室の2カ所。センター長・中谷伸夫さんと区の担当係長・高橋浩子さんにお話し頂きました。高橋さん高齢者あんしん相談センターの主な役割は4つあります。まず介護予防です。要支援1・2の方の自立を支援するための介護予防ケアプランを作成します。次に権利擁護です。高齢者を消費者被害から守り、財産管理や契約、虐待の防止、成年後見制度などの相談を行います。それから総合相談です。本富士地域の65歳以上の約9千人の皆さんのさまざまな相談にお応えしています。ご家族やご近所だけでなく町会、主治医、民生委員などからの相談にもお応えしています。困ったことがあったら抱え込まずに、気軽に相談して頂けたらと思います。そして地域、医療機関、行政が緊密に連携して、ケアマネジャーへの支援等を行なうことで高齢者の皆さんの安心を支えていきます。中谷さん私たちは区から委託を受け高齢パンフレット医療法人社団龍岡会社会福祉士高齢者あんしん相談センター本富士センター長文京シビックセンター中谷伸夫さん者あんしん相談センターを運営しています。普段、高齢者の皆さんと接する中で地域の力を高める取り組みを行っています。今年は熱中症予防対策の3年目でしたが、消防署の方と一緒に高齢者クラブを回って予防のための啓発活動に取り組みました。その際、地元の和菓子屋さんが作製した塩あめを配るなど、地域の方や関係者のアイデアを実現しモチベーションを高める工夫もしました。また9月のアルツハイマー・デイを機に認知症の啓発活動に取り組みました。早期発見・対応できるよう、町会など地域への働きかけに、認知症コーディネーター(センター配属の看護師)を活用しました。認知症対策のユニークなところとしては「ぶんにこ(文京認知症コミュニティ)本富士」の試みです。湯島地域活動センター内に、認知症の方やご家族、地域の方、介護の専門職の方などが心おきなくおしゃべりできるスペースを設けて好評でした。今後はこのスペースを地域で自主的に運営できるように育てていきたいと思っています。その他には、日ごろ横のつながる関係が作りにくいケアマネジャーに向けてケアマネ交流会を開催し、お互いの経験の中からさまざまな事例を検討し、知恵・ノウハウを共有するなどして、介護と医療の連携に努めています。さらに今年は、経験1年未満のケアマネジャーの仕事の悩みを聞いて主任ケアマネジャーがアドバイスする「ケアマネタイム」も始まりました。高橋さん文京区ではハートフルネットワークという、民間・団体・公共の各協力機関と文京区福祉部高齢福祉課高齢者相談係係長中谷伸夫さんと高橋浩子さん高橋浩子さん高齢者あんしん相談センターが区の関係部署と連携して地域での高齢者の方の安心な暮らしを支える大きく緩やかな見守りのしくみがあります。相談についてはご本人・家族でなくても誰でもできますし、匿名でも個人情報は守られますからぜひ活用して頂きたいですね。中谷さんこうしたネットワークを地域の力、個人の力を高めるためにおおいに活用し、手をつなぐ人がひとりでも増えていくよう私たちももっと頑張らなければと思っています。高齢者あんしん相談センター本富士本所:湯島4-9-8龍岡介護老人保健施設1FTEL. 03-3811-8088開設時間:月~金9:00~19:00土・日・祝9:00~17:30分室:本郷2-21-3青木ビル1FTEL. 03-3813-7888開設時間:月~土9:00~17:30日・祝・年末年始休担当圏域:本郷・湯島・弥生・根津の全域、西片1丁目1~18・20、西片2丁目、白山1丁目3・4・9・10・15、向丘1丁目1~6、16~20、向丘2丁目1~10、11(1~5)、13(8~21)パブリック-2いま文京区の地盤はどうなっているの?東京商工会議所・災害対策セミナー10月26日、文京シビックセンターで東京商工会議所文京支部不動産分科会主催の「企業防災のプロに学ぶ!災害対策セミナー」があった。講師は応用地質株式会社の野口礼人さんである。セミナーの前半で文京区の地質と地震への心がまえについて話された。ではそのダイジェストを――。南関東では200~300年間隔で関東大震災クラスの地震(プレート型地震)が起こっているが、その間にマグニチュード7クラスの直下型地震が数回発生している。首都直下型地震もこのタイプでいったんおきると多大な被害が生じる。東京は地盤の固い山地から地盤の緩い沖積低地に向かって東西に広がっている。文京区は武蔵野から続く台地の端近くに位置し、地盤は比較的しっかりしている。粘土質の関東ローム層の下には武蔵野礫層から続く固い東京礫層があって、23区東部の鉄筋コンクリート建築の杭は、この東京礫層に打ち込まれていることが多い。文京区は台地と谷の入り組んだ地形で、台地の上と谷地では多少ゆれ方が異なる。東京には谷のつく地名が多く昔から水のたまりやすい所で、最大級のセミナー資料の一部応用地質株式会社社会システム事業部上級専門職野口礼人さん大雨になると現在でも水害が発生する恐れがある。シビックセンターの周辺では白山通り、千川通り付近の谷底低地がこれに該当野口礼人さんする。大地震では軟弱地盤で液状化が起こり得るが、区内ではその可能性は低い。総じて文京区は大地震のゆれには強い地形といえるが、問題は電気・ガス・水道等の途絶による生活の困難だ。家族や友人、勤め先との連絡手段の確保は欠かせない。防災・減災のため、自助と地域の力を将来起こり得る首都直下型地震に向かって高めていきたい。