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概要

マーチング通信39号

第39号:平成27年(2015年)7月12日日曜日隔月発行3洋食3代目、こだわりの洋食正統派「御茶ノ水小川軒」代表取締役小川洋さん――今年で創業110年だそうですね。小川さん明治38年(1905年)、祖父が開いた店を「ビフテックハウス」と名づけ、そこでビフテキとカレーを出していました。最初の店は汐留にありました。「汽笛一声」の鉄道唱歌の駅が目の前。そこから新橋に引っ越したんですが、駅が後から店の前に移ってきたんです。だから「店が新橋駅の前にできたんじゃなくて、店の前に新橋駅ができたんだ」というのが祖父の口癖でした。祖父は店を開く前は海軍のおかかえコックで世界を巡ったりしていたようです。――3代続くコックさんですね。小川さん私は三人兄弟の末っ子ですが、10日間かけて作り出すデミグラスソースが和牛ハンバーグの味を引き立てる。長兄が代官山で「代官山小川軒」、次兄が新橋で「巴里小川軒」、私が「御茶ノ水小川軒」という具合です。御茶ノ水には20年ぐらい前に世田谷から引っ越してきたんですが、落ち着いた街並みがとても気に入りました。車で銀座に行くときに本郷通りを通るという、小日向や西片方面のお客様も来られました。病院に通院されている方が昼食に立ち寄られたり、近所の会社の社長さんや社員の皆さんも来られます。生前、渥美清さんがときどき見えてハヤシライスがお好みでした。もちろん、夜は地元の皆さんも来られますよ。――人気メニューはなんですか。小川さん昼はハンバーグ、夜はハンバーグやビーフシチューのコースです。ハンバーグでは固まりで仕入れた和牛を店でミンチにしています。デミグラスソースの仕込みは10日間かけ、50リットルの釜で煮込みます。これは2週間でなくなります。カレーとビーフシチューとデミグラスソースをローテーションで作っていますね。どんな細かいところの手間も惜しまず、ていねいに炒め・煮込むそんな作業の積み重ねがいい味を作るんです。肉は最高級の宮崎の尾崎牛をはじめこだわりの和牛を仕入れ、野菜も全国の産地の作り手からこだわりの野菜をチョイスして使っています。――いま挑戦されていることは。小川さん店のスイーツの人気商品というとレイズンウイッチですが、それに次ぐ新しいスイーツを開発したいと、もっか知恵をしぼり試行錯誤をしているところです。御茶ノ水小川軒〒113-0034湯島1-9-3TEL. 03-5802-5420 FAX. 03-5802-5421営業時間:レストラン/月~土11:30~14:00(L.O.)17:30~20:00(L.O.)カフェ/月~土10:00~17:00定休日:日・祝マーチング通信※レイズンウイッチは完売時終了とさせて頂きます。静かに時が流れるお洒落な店内http://www.news.yushima-hongo.net/本郷通り沿いにたたずむ、ひと際目を引く外観懐かしい“昭和の味”が魅力のかりんとう「ゆしま花月」ゆしま花月三代目溝口智広さん――夏場のかりんとうはどうなんでしょうか。溝口さん揚げ菓子は普通、夏は敬遠されがちですが、うちのかりんとうは年間を通してコンスタントに買って頂いています。お中元の贈答が減った代わり、帰省のお土産にお求めになるお客様が増えていますね。そこで金魚柄の涼しげなパッケージを採用しました。デザインは私です。実は7年前までグラフィックデザイナーとして会社勤めをしていました。子どもの頃から店を継ごうと思いつつ、やっと29歳で実現したんです。畑違いの世界ですから最初はチンプンカンプンでしたが、いまでは全部任されてもらっています。――かりんとうの誕生はドラマチックですね。溝口さん昭和20年代の初め、かりんとうを作る職人が、砂糖を煮詰めすぎて飴になってしまったのをそのまま使ったところ、きれいな色の美味しいかりんとうができた。失敗は成功の母といいますが、同じ失敗を再現するのに大変な苦労をしたと聞いています。きめ細やかな生地づくりから温度の違う油での三度揚げといったていねいな作りが、外はカリッ、中はサクッの独特な食感を生んだんですね。――よそのかりんとうより固くないですか。溝口さん中のきめは細やか、外はしっかり固いです。最近の子どもはあごが弱くなっていますよね。そのせいか、歯科医や歯科医療関連の企業さまからまとまったご注文をいただく事があります。かりんとうを食べることであごの力、噛む力が鍛えられるのかもしれません。そんな食育を考える一つのきっかけになればと思っています。――最近、開発されたお菓子はありますか。溝口さん1年半前に開発した「かさねうめ」があります。塩味のあられと梅の彩りを添えた甘酸っぱいあられのふたつを混ぜ合わせ、ふたつの味を楽しめるお菓子です。湯島天神にある「思いのまま」というひとつの木から白とピンクの花が咲く梅の木のイメージです。不思議なことに、かりんとうは若い人にも懐かしい味なんですね。いわば“昭和の味”、そんなかりんとうの魅力を小さなお店から伝えていければと思います。かりんとうゆしま花月〒113-0034湯島3-39-6TEL. 03-3831-9762FAX. 03-3837-0611営業時間:月~金9:30~20:00土・日・祝10:00~17:00マーチング通信http://www.news.yushima-hongo.net/職人の粋と技で、こだわりの味をご提供しますこの夏登場!!金魚をモチーフに、お洒落なパッケージ老舗の風格ただようお店の玄関